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2006年10月22日 (日)

バラタナゴ

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佐賀のyossyさんが探しているという、ニッポンバラタナゴ。
生息地を見てみると、私の住む地域は空白地帯です。
これは情報が少ないせいなのか?
本当に確認されていないのか?
正直分かりません。

一時期は必死に探した時期もあり、複数飼育していたのですが、
水槽の数が少ない悲しさから、複数の産地のバラタナゴを
同一の水槽で飼育せざるを得ず、
中には確実に「タイリクバラタナゴ」と断定できる個体から、
これはニッパラぽいなという個体までごちゃ混ぜになってしまいました。

そんな中、たこちゃんやさぼてんさんに過密飼育を指摘され、
一時バラタナゴを別の水槽に移したことから、
改めて、バラタナゴを採集してみようという気持ちになりました。
勿論、yossyさんのコメントに刺激を受けたことも原因です。

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タイリクバラタナゴとニッポンバラタナゴの問題とは何なのでしょうか?
有名な話ですので、ここでは割愛させていただきます。
気になる方は検索してみて下さい。

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私がその中でもニッポンバラタナゴではないのかな?
と思った個体を採集した場所は、採集帳によると、
私の住む地域を流れる川のある支流の上流部でした。
(本流で捕った個体には胸びれに白い線があります。)

私の父の幼少期(1960年代)には私の住む地域にはタナゴが生息し、
「シビンタ」と呼ばれていたようです。
このタナゴが、ガゼトゲタナゴなのか?ニッポンバラタナゴなのか?
現在では知る方法はありませんが、
私の父がこのタナゴを採集した場所も、支流の上流部であったとのこと。

遺存的に残っているとしたら、「本流よりも支流の方が可能性が高い」
と思ったのです。

Fi2621424_4e












前置きが長くなってしまいましたが、
ということで、本日採集してきた個体が今回の写真のものです。
現在の所胸びれに白い線がある個体は一匹もいません。
(採集個体にも皆無)

婚姻色も少しですが残っていました。

Fi2621424_5e












そもそも九州におけるバラタナゴというのは、
少なからずタイリクバラタナゴとニッポンバラタナゴと思われる個体が
混泳している印象が強く、今回紹介した個体が必ずしもニッポンバラタナゴだとは言えません。
外見だけで判断するのは、もはや困難な域に達していて、
アイソザイム分析を経てようやく断定されるべきだと考えるからです。

しかしながら、この個体達がタイリクバラタナゴだったとしても、
だから駄目だとは思っていないことも付け加えておきたいと思います。
なぜなら、タイリクバラタナゴ自体もかなり美しいタナゴだからです。
単に鑑賞するだけであれば、タイリクバラタナゴでも十分ですし、
タイリクバラタナゴを長期飼育し、大きく育てることも
楽しいと思うからです。

今後、これらの個体がどう成長するのか?
それを楽しみながらまた紹介してみたいと思います。

また、今回バラタナゴを探して色々なポイントを廻りましたが、
タイリクバラタナゴ自体が地元では減少している印象を持ちました。
これは貝自体の減少が原因と思われ、
このままでは、ただでさえタナゴの生息が少ない我が地元では、
タイリクバラタナゴすら見れない時代がくるかもしれません。
このことに危機感を感じた今日のガサでした。

(以下は06年10月25日追記)
※但し購入個体の放流は絶対に行わないで下さい。
お店で売られているタイリクバラタナゴの多くは、
日本で採集された個体です。
どのような遺伝子が混入するか分かりません。
勿論、ニッポンバラタナゴなど他の魚についても同様です。

これは、生物の遺伝子の多様性の見地からも一定の遺伝子を持った
個体だけが生息するようになることで、何かが原因となり、
全滅の可能性も発生します。
また、同じ魚でも地域変異と呼ばれるその地域独特の遺伝子を持った
集団が生息しております。
この集団に他の魚を混入することで、
遺伝子の攪乱が起こってしまいます。

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コメント

実は、私の水槽でも頂いたニッポンバラタナゴを数年飼育しています。しかし、当時何も考えずタイリクバラタナゴと混泳させていた為、現在では、ニッポンバラタナゴがどれか分からなくなってしまいました。(無知の後悔) 私たちの地域で比較的簡単に捕れるタイリクバラタナゴも、タナゴの取れない地域の人にとっては、取れるだけ恵まれた地域。そこに住んでいることに感謝し、他の雑魚も大切にします。

投稿: ryu-oumi | 2006年10月23日 (月) 13時11分

深いお話でした。。。遺伝的攪乱のはなしや、逆に長期的に同じ場所に住み続けた場合の話など、色々と考えてしまいました。タナゴの世界、、、深いですね!

投稿: さぼてん | 2006年10月23日 (月) 13時20分

>ryuさんへニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴって見分けつきませんよね。私も複数地域のものを混泳させていたので、全く分からなくなりました。唯一、職場のバラタナゴを見ると、ニッポンバラタナゴの特徴を持っていることから、今回の捜索をやってみました。タイリクバラタナゴは外来種と在来種の交雑種として生息しており、全面駆除を言う人もいますが、私自身は問題をしっかり理解して飼育するなら、構わないのではないかと思っています。

投稿: Zacco | 2006年10月23日 (月) 18時56分

>さぼてんさんへ私がハエジャコ類好きなのはご存じと思いますが、タナゴについて色々考えると、本当に奥が深い魚だと思います。元々、その産卵形態からして独特の進化を遂げてきた種ですから、人知の及ぶところではないのですが、生物地理学的なこと、地域変異など興味が尽きません。まだまだ、色々と考えてみたい魚です。

投稿: Zacco | 2006年10月23日 (月) 19時02分

自宅近辺の水路ではタイリクバラタナゴしかお目にかかれません。ハイブリッド化している気配が濃厚です。タイリクバラタナゴに罪はありませんが、既にアメリカザリガニ的ポジションですかね…。自然淘汰はあり得ます。ただ、人的背景で生態系が崩れるのは無関心では居られません。視点は変わりますが…。タナゴがいる場所は環境的には汚染が進んでいないと考えています。一番、水質変化に敏感なのは貝類です。タナゴは貝類が居なければ繁殖できませんものね。

投稿: 懐畔泥鰌 | 2006年10月23日 (月) 23時03分

私は最近、アブラボテ、ヤリタナゴの区別がつくようになってきたのですが、その他のタナゴはあまりにも似ていて分らないです。うちにタナゴがいますが、ただのタナゴなのか違う種類のタナゴなのか分らないものもいるので、勝手に総称してタナゴと呼んでいます。そんな私なので、タイリクとニッポンの違いは本当に分らないですね><違いが分らなくなってきているのは、やっぱり混血も原因の一つなんでしょうね。

投稿: たこちゃん | 2006年10月23日 (月) 23時50分

>懐畔泥鰌さんへ純粋なニッポンバラタナゴ自体がもうほとんどいない現状ですから、懐畔泥鰌さんの家の近くも同じ状況なのでしょうね。。。残念なことです。九州北部にはまだ生息と書いてある文献があるので、探してみる価値はあると思いますが、いるとすれば、限られた環境の中でしょうね。私の個体もハイブリッドではないかと、本心では思っています。比較的澱んだ環境に多いバラタナゴですが、貝が生息できる環境というと、やはり懐畔泥鰌さんが仰るように、さほど汚染されていない地点かもしれませんね。

投稿: Zacco | 2006年10月24日 (火) 18時34分

>たこちゃんへたこちゃんちのタナゴも是非紹介して下さいね。タナゴはタナゴ。多分、それでいいんだと思いますよ。例え分からなくても、「飼育している個体を一生懸命飼う」ってのも素晴らしいことだと思います。バラタナゴは難しいですね。タナゴの見分け、グループごとに分けてみてみると、意外に分かり易いかもしれませんよ。(*^。^*)アブラボテ属、タナゴ属とか。

投稿: Zacco | 2006年10月24日 (火) 18時40分

又お邪魔致します。県内の「ニッポンバラタナゴ」ですが、(外見的に見て)様々な違いがあります。腹鰭に濃く、明瞭な「白線」があり、且つ、体高も、純粋な「タイリクバラタナゴ」と断定できるような個体群、又、体高は上記ほど無いが、100匹中2~3匹位の割合で腹鰭の「左右どちらか片方」に薄く、目を凝らして見ないと確認出来ないような「白線」が入る個体群、更には、小型で、両方の腹鰭に、薄くはあるが、はっきりと「白線」が入る個体群と・・・。又、県内の熱帯魚店に、「規制外来魚ポスター」なるものが貼ってありましたが、はたしてどれだけの店員さんが例えば、「タイリクバラタナゴ」を購入する際、”絶対放流してはいけない”!「それはなぜ?」と問われた際にどれだけの事が言えるのでしょうか。今後も私は、ニッポンバラタナゴの「種の絶滅」を防げればと、個人的に活動して行こうと思います。Zaccoさんの活躍を期待します。

投稿: yossy | 2006年10月25日 (水) 19時27分

>yossyさんへ(続き)勿論、yossyさんの仰るように購入個体の放流は絶対厳禁であると考えています。私も放流禁止の活動には賛成です。yossyさんがどのような活動をされるのかも興味津々ですが、私自身このブログの中でも機会がある毎にこの問題には触れていきたいと思います。ご指摘有り難うございます。m(__)m

投稿: Zacco | 2006年10月25日 (水) 23時41分

Zaccoさんタナゴ問題応援します。。タナゴ自体、地元で生息地を発見できていないきつねです。20年前(小学生時代)は、毎日のようにタナゴを捕まえていたのですが。。30年前はホタルが家の前を飛んでいたそうですが。。

投稿: きつね | 2006年10月26日 (木) 23時09分

きつねさんへ時代の変遷は、日本産淡水魚に関してはあまり良い方向を向いて来なかったようですね。タナゴが居ない環境というのを、私自身想像したくないですし、なんとか生息環境を維持して行くよう祈ってます。この非力なブログでですが、御覧になった方が少しでも関心を持っていただけると、嬉しいですね。

投稿: Zacco | 2006年10月27日 (金) 16時25分

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