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2006年11月29日 (水)

タナゴの分類2(Rhodeus属)

今回はRhodeus属(Rhodeus;バラ色をしたもの)のタナゴを
紹介していきたいと思います。

Rhodeus属(バラタナゴ属)に含まれるタナゴは、
・ニッポンバラタナゴ Rhodeus ocellatus kurumeus
・タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus
・カゼトゲタナゴ Rhodeus atremius atremius
・スイゲンゼニタナゴ Rhodeus atremius suigensis
の4種類が日本に生息しています。

この属のタナゴの特徴はヒゲが無いことですが、
バラタナゴ2種とカゼトゲタナゴとスイゲンゼニタナゴ
は分けて考えた方がよいと思います。
これは染色体レベルでも明白で、
ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴが2n=48であるのに対して、
カゼトゲタナゴとスイゲンゼニタナゴは、2n=46と異なります。

では、この2つのグループの見分けですが、
前者がオスの尻ビレの中央に細長い赤色斑があるのに対して、
後者には無い。
また、暗青色縦帯が前者が、背びれの前端を越えない部分から始まり、
尻ビレに達する前に終わるのに対して、
後者では、背びれ起点より前から始まり、尻ビレ直前まで達するという
違いがあります。

Fi2621445_2e                                                         タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus
ocellatus;小さい眼(のような斑点)を持った

全長;6から8センチ
産卵期;3から9月

原産地は朝鮮半島南部と中国大陸南部で、
1942年にハクレンなどの種苗と共に
長江(揚子江)から持ち込まれたらしい。

ニッポンバラタナゴとの見分けは既に外見からは困難なレベルであるが、腹ビレ前縁に白線があるものはタイリクバラタナゴとみなしてよいようである。
文献によると九州産のニッポンバラタナゴの中にはこの白線が現れる個体がいるとの記述もあるが、「行橋たなごの会」のYOU氏によると、九州産の個体でもニッポンバラタナゴには白線が見られないとのこと。
しかしながら、韓国産のタイリクバラタナゴの中には白線が無い個体もいるらしいので、最終的な判断は遺伝子レベルの検査が必要。

写真はメスの個体。
なかなかよい写真が撮れず。
元々タイバラはあまり個体数を水槽に入れていないので、
他のタナゴに邪魔されるんです。

Fi2621445_3e                                                        ニッポンバラタナゴ Rhodeus ocellatus kurumeus
全長;5センチ(6センチを越えるものは稀)
産卵期; 月
<特徴>
腹ビレの前縁に白線が無いほか、成長が遅く、かつ小型であり、
側線鱗は無いかあっても少なく、オスの婚姻色が朱赤色が強くて、
いわゆる赤レンガ色に輝き、腹ビレは黒くなる。
元々の生息域が、
琵琶湖淀川水系、香川県、兵庫・岡山県の瀬戸内海側、九州北部と
それ以外の場所では候補から除外してもよさそうです。
タイリクバラタナゴよりも閉鎖的な静水域を好むようである。

写真の個体はタイバラかもしれません。
今後の観察が必要な個体です。

Fi2621445_4e                                                         カゼトゲタナゴ Rhodeus atremius atremius
全長;5センチ
産卵期;最盛期は6月
<特徴>
熊本県八代市の某河川を南限とした九州北部、壱岐にのみ生息し、
それ以外の場所では判別の際候補から除外しても良いと思います。

側線は不完全で、体側中央の暗青色の縦条は鮮明、
かつ背びれ起点より前から始まるために長い。
未成魚以前とメスの成魚の背びれには黒色の斑紋が入るが、
オスの成魚では大型になるにつれ消失する。

スイゲンゼニタナゴ Rhodeus atremius suigensis
全長;5センチ
産卵期;4から7月
<特徴>
カゼトゲタナゴに形態、色彩ともに極めて良く似た小型のタナゴ。
側線は不完全で、体側中央の暗青色縦条の前端がカゼトゲタナゴに
比べて、僅かに太く始まる個体が多い。
兵庫県から広島県にかけての山陽地方に分布。
(その他の地域では判別から除外しても良いと思います。)
1965年に中村元信氏が検討した結果、Mori氏が韓国の水源で採集し
命名したものと同一であるとして、カゼトゲタナゴとは別種とした。
しかし、亜種関係にあるとする文献がある。
天然記念物に指定されているので、採集は勿論、
生息環境に影響を与える行為そのものが禁止されている。
さらに韓国産のスイゲンゼニタナゴの購入飼育も禁止の対象となっています。

第二回の記事が遅くなって申し訳ありません。
仕事が方付いた一方でプライベートをほったらかしにしていたツケが
出ていて、相変わらず忙しい日が続いています。
また旅行の日程が近づいて来たこともあり、
更にスケジュールが過密になってきました。

今回の写真などに関しても不満が残る内容となってしまいましたが、
いずれ改めて修正・改訂を行おうと思っています。

また、このブログでも懇意にさせていただいているうみへびさんから、
イラストで分かり易く紹介してみては?との有り難いアドバイスも
戴きました。
先日電気屋のポイントカードでペンタブレットを購入しました。
今まで使った事があまりないので、少しずつ練習して、
より分かり易い説明ができればと考えています。

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コメント

日本バラタナゴを探していますが、茂みに囲まれた溜め池でも大陸バラタナゴが見つかりますね。滋賀県内では絶望的かもしれません(琵琶湖博物館のポスターにも登場していません) イラストを使った説明は、特徴などが掴みやすく面白そうですね。期待しております。

投稿: ryu-oumi | 2006年11月29日 (水) 08時05分

春になったら、畦の素堀の水路で掬ってみます。タナゴがいたと思います。Blogを始める前で画像も無し…。惜しいことをしました。来春が楽しみです。タブレットならイラストは描きやすいです。絵心がないとかえって手間は掛かりますが…。部分的な画像のアップに丸や矢印なら簡単です。もちろん、簡単な図でも意図は伝わりやすくなりますね。

投稿: 懐畔泥鰌 | 2006年12月 1日 (金) 22時28分

この記事を読んでいると、うちのタナゴはアブラボテじゃなくニッポンバラタナゴなのか??っと考えてしまいました^^;今はプランター池の中にいてなかなか捕まらないので、確認ができませんけど^^;それにしても気になるな~

投稿: たこちゃん | 2006年12月 2日 (土) 00時36分

タナゴだけとってみても、これだけ判別が難しいということは、別の魚種であっても細かく見ると違うのでしょうね。ヨシノボリは特徴によって今後更に細かく区別されるでしょうが、例えば、モツゴやタモロコなども地域によって違うのかなって最近思います。そういえば、スイゲンゼニタナゴを持ち込み禁止と知らずに韓国から土産に買ってきてしまう人もいるようですね。

投稿: きつね | 2006年12月 3日 (日) 23時03分

ヤリ系(ヤリ・アブラ・カネヒラ)なら判別着くのですが、バラタナゴ系は、全く分からないです・・・。まぁ、いつも取れるバラタナゴはタイバラだから、多分それだろうということにしてますが。

投稿: べーさん | 2006年12月 3日 (日) 23時11分

>ryuさんへ琵琶湖博物館でうおの会という活動の報告書(500円だったと思う)を買ったのですが、それにも載っていないようですね。私にはタナゴ全般が減少していて、シロヒレタビラも琵琶湖周辺では最近獲れていないというのは、かなりショックでした。というよりも淡水魚一般が減っている印象が強く、こりゃよそ者がここで魚捕りはしちゃいけないんじゃないか?そう思えるくらいショックな本でした。イラストはもう少し時間がかかりそうな感じです。というのも最近文献が大量にてに入ったので、その整理をしたいんです。記事はその都度追加していく予定です。

投稿: Zacco | 2006年12月11日 (月) 21時30分

>懐畔泥鰌さんへコメントが遅くなってスミマセン。滋賀県へ出かけてきました。残念ながら上流域をみることが出来なかったのですが、素晴らしい体験をすることができました。タナゴは随分と減っているようですね。。。私の地元でも似たような状況ですが、採集できることお祈りしています。タナゴは種類にもよりますが、飼って本当に楽しい魚だと思います。タブレットは少しずつ使って行こうと思います。(琵琶湖博物館の記事が暫くかかりそうですので。)いずれTBさせて下さいね。私の場合は興奮 しすぎて、あまり良い写真が撮れていなかったりします。

投稿: Zacco | 2006年12月11日 (月) 21時36分

>たこちゃんへいずれ撮れたら見せて下さい。メスだと少し困るかもしれませんが。。。(笑)タナゴは種類を問わず綺麗な魚ですから、近くにいるだけでも素晴らしいと思います。私は琵琶湖に行ってそう思いました。

投稿: Zacco | 2006年12月11日 (月) 21時38分

>きつねさんへ現在のタナゴの分類も将来的には変わる可能性もあると思いますしね。韓国の魚についても最近読んだ本で少し混乱しています。最近「淡水魚」という昔の雑誌を大量に手に入れることができました。仰るとおりの内容が載っているようですので、少しずつ紹介できればと思っています。

投稿: Zacco | 2006年12月11日 (月) 21時52分

>べーさんへバラタナゴ系は見慣れると多分分かるんだと思います。私は今回の旅で初めてカゼトゲとスイゲンゼニタナゴを同時に見る機会に恵まれたのですが、この2種は難しいと思いますし。逆に大型になるタイプのタイバラは私はあまり見たことがないので、個人的には興味があったりします。タナゴといっても地域によって生息していない種類もいますから、べーさんがやってらっしゃるように、生息状況を確認することが第一で、次に見分けとなるんでしょうね。(^。^)

投稿: Zacco | 2006年12月11日 (月) 21時58分

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